乙女は不滅|90歳のお姉様が教えてくれた“綺麗でいたい”という気持ち
- SOCO blog

- 4月13日
- 読了時間: 2分
90歳のお姉様が、初めてSOCOにご来店くださったのは、7月のことでした。
「紹介で行った美容室で、ザク切りにされてしまって…」

そうおっしゃって見せてくださった髪の状態に、私は正直、言葉を失いました。
切り口には丁寧さが感じられず、ただ短くされた、そんな印象でした。
年齢に関係なく、その方の髪ときちんと向き合うのが美容師の仕事です。
それが感じられない仕事の跡を前にして、やるせない気持ちになりました。
でも、お年のわりに毛髪の太さも量もしっかりされていて、
ちゃんと向き合えば、必ず応えてくれる髪だと感じました。
「次回まで、一緒に伸ばしていきましょう」
そうお伝えして、その日は無理に形を触らず、丁寧にケアだけをさせていただきました。
その後、私自身の骨折による入院や店舗改装も重なり、秋は慌ただしく過ぎていきました。
そして12月、再びご来店くださったときのことです。
伸びた髪に炭酸泉を丁寧に通していくと、うねりが少しずつ落ち着き、髪に光沢が戻ってきました。
鏡越しに見えたお姉様の表情が、ほんのり頬を赤らめて、静かに微笑んでおられたんです。

そのお顔が、本当に可愛らしくて。
貢献させていただけたことが、心から嬉しくなりました。
ところが、次のご来店では髪がバシバシになっておられました。

※オイルに反応してビリビリになった毛先(写真右側)
「もっと綺麗にしたくて、オイルを使ってみたんです」
そのお気持ちは、痛いほどわかります。
綺麗になりたいと思うからこそ、何かしてあげたくなる。
でも、それは私の説明が足りなかったせいでもありました。
炭酸泉で整えていく髪は、必要以上のコーティングを重ねることで、本来の軽さやしなやかさが見えにくくなることがあります。
使えば使うほど、髪が応えにくくなってしまうこともあるんです。
改めてそのことをしっかりお伝えし、炭酸泉で髪と頭皮の状態を整えていくと、
萎れていた髪が、ぷるんと弾力を取り戻し、艶やかでしなやかな質感に戻っていきました。
本当に、コーティングに頼らなくても美しくなれる髪はあります。
それをまた、この目で確認させていただきました。
90歳になっても、綺麗でいたい。
その気持ちに、年齢なんて関係ありません。
いつまで経っても、乙女は乙女です。
そしてその気持ちに、きちんと応えられる美容師でいたいと、改めて思いました。


